当協会では、県内中小企業等の資金の円滑化を図るとともに、事業者の販売促進の手助けとなるよう、ユニークな技術やサービスを持ち、金融機関から推薦のあったものについて、当該企業の紹介を当協会のホームページや広報誌「保証月報」に掲載するとともに、マスコミへの情報提供サービスなどを付与する「広報サポート付保証“AAA”」制度を創設し、平成28年4月から募集を始めました。
今回、16例目となる事業者を決定しましたのでその概要についてお知らせいたします。
【事業者の概要】
平成3年4月から、三好市三野町で建築用ステンレス製サッシを製造する「㈱原製作所(代表取締役 原 功)」では、県内同業者に先駆けて、長尺原板の加工ができる「大型タレットパンチ」を導入するとともに、作業場所を確保するため工場を増床。これら設備用資金として、保証付き融資を利用しました。
同社では、これらの設備により、主要納入先の大手サッシメーカーや大手ゼネコンの要求が増えている「大型サッシ」の加工時間を安全に早めて、納期短縮と増産によリ製作コストの縮減を図り、売上及び収益の増加が見込めると考えています。
【装置導入までの経緯】
競合他社が乱立し、提供している「スチール製のサッシ製品」との価格競争は不毛な争い。しかし、「高級感」「耐久性」「大型化」を求める高級ホテルやインテリジェンスビル等のサッシは、3年後にオリンピックを開催する東京や、インバウンド人口が増加している観光地を中心に商機はあります。このチャンスを追い風として、施主のきめ細やかな「個別一品」受注を獲得したい大手サッシメーカー等の思惑がありますが、「標準品の大量生産」を得意とする大手メーカーには、個別一品生産は対応が難しい課題であります。このミスマッチをいち早く解決する提案行動として、同社が設備投資に踏み切りました。
<既存の機械との比較>
項目 | 新たに導入する機械 | 現在稼働中の機械 | 効 果 | ||||||||||||||||||||||||||||
名称 | アマダEMZ-3612-MⅡ | アマダPEGA357 | |||||||||||||||||||||||||||||
可動 範囲 |
1,575mm×3,050mm | 1,250mm×1,800mm | 214%増 | ||||||||||||||||||||||||||||
= 4.81㎡ | = 2.25㎡ | ||||||||||||||||||||||||||||||
加工プログラミング 入力時間 |
240秒 | 270秒 | 21%減 | ||||||||||||||||||||||||||||
加工 時間 |
120秒 | 130秒 | 8%減 | ||||||||||||||||||||||||||||
金型交換時間 | 60秒 | 300秒 | 80%減 | ||||||||||||||||||||||||||||
不良品発生割合 | '1.7% | '10.0% | 83%減 | ||||||||||||||||||||||||||||
加工量 | 120~140 (稼働中機械に対し) |
100 | 20%~40%増 |
【人生観と今後の事業展開】
原社長は脇町から大阪に出て昭和52年に創業の後、平成3年に縁あって三野町に本社・工場を移転。平成10年に会社存続の危機に直面したが、生き残りをかけて、これまでコンサルタント導入や若手人材の登用等、様々な改革や試行錯誤を繰り返してきました。苦しい時ほど「誠心誠意」を心がけ、「お客様の満足」と「全社員の幸福」を志向しなければ、会社の発展はないということに気づきました。こういったことから、地元の方々に育ててもらったとの想いと、どんな苦境の時でも知恵と行動力を注いでくれた従業員に感謝の気持ちが強い。今後、従業員に経営を引き継ぎ、人口減少が続く県西部で「働きたい会社No1」となって、雇用の創出と人口流出のストッパー役になりたいと考えています。
○徳島県信用保証協会 保証部保証1課 神木
電話 088-622-0248
○株式会社原製作所 代表取締役 原 功
所在地 三好市三野町加茂野宮字北西王地1726-3
電話 0883-77-4012